旋盤、旋削加工やフライス加工で多く用いられるのがスローアウェイチップになります。ホルダーにセットし、実際に削る先端部分のみをネジなどによって取付、取り換えられる形式になっており、材料費を大幅削減できます。脱着に関する技能も必要なく、比較的誰でも装着可能です。スローアウェイチップの形状に合わせてホルダーも選定する為、ぴったりはまるような作りになっております。 こうしたスローアウェイチップを用いた工具をスローアウェイ工具と呼びますが、海外ではインデキサブル工具と呼ぶのが一般的です。 またスローアウェイチップとは別に先端のみを取り換える形式のドリル、エンドミル工具もスローアウェイ工具(インデキサブル工具)に分類されます。交換式ドリル、エンドミルは比較的安価で手に入る一方で、再研磨できる回数、状態が限られてしまう為、工具の摩耗状況などと相談して、どちらがコストパフォーマンスが上か、見極める必要が有ります。
スローアウェイチップは当社の一番得意とする分野です。是非お悩みが御座いましたら1度ご相談ください。
通常2パス、3パス必要であった切削を当社スローアウェイチップで1パス切削が可能になります。(総型スローアウェイチップ)
ワーク形状をそのまま工具の形状にする為可能となります。
例えば・・・
通常上図のような端面溝入れの切削には複数回送る必要があり、時間が掛かってしまいます。
しかし、特殊制作を行うと・・・
切削する形状と同じ凸形状で工具を製作することで・・・・
1パスで端面溝入れ、面取りを終わらせることが出来ます。また、予め工具形状により決められたR形状、角度がそのまま反映される為調整自体も比較的に簡単になります。
お客様がテストで一番困るのがチップ代よりもホルダー代です。当社ではテスト用のレンタルホルダーを用意しております。レンタルホルダーに合せたチップの製作を行なう為安価にテストが可能です。また現在お使いのホルダーに合せて製作も可能ですので気軽に特殊形状のご相談を頂ければと思います。
超硬、CBNと言っても様々な含有量によって硬度、靱性、耐摩耗性、熱伝導性等が変化します。当社では超硬材種20種類以上、CBN材種10種類以上の中から選定し、よりお客様のワーク形状、取り代、被削材などに合せたものを選定可能です。さらにコーティングの種類も複数存在し、同じ形状で様々な施策を作成可能です。
下の表はあくまで1部形状のものです。お客様ご要望にお応えした外径チップ、CBN等も数多く存在します。
特殊形状推奨 | 標準品推奨 |
---|---|
溝入れチップ | 外径チップ |
端面溝入れチップ | CBNチップ |
ねじ切りチップ | フライスチップ |
内径バイト | カッター |
Tスロットチップ | ダイヤチップ |
総型(段付き)ドリル | ドリルチップ、ドリル |
突っ切りチップ | エンドミル |
・端面溝入れ、溝入れ
端面溝入れや溝入れのスローアウェイチップは標準品だと幅の規格が決まっており、切削に時間が掛かるケースが多くあります。特殊製作で当社へ幅違いを御依頼頂いた際も、標準品と比べ、値段の遜色は出づらいものです。また上述にあるように複数の溝入れ形状を1パス加工で切削可能に出来るような提案も数多くあり、特殊製作を推奨しております。
・ネジ切り
ねじ切りチップは標準品の多くは1山の物が多いですが2山、3山での製作が可能です(下記図)。複数山を製作する事でパス回数を減らせるため生産性が向上し、コート費、材料費は変わらない為、工具費用を削減できます。
・内径バイト
小径の内径加工の特殊形状はチップより、バイトの製作の方が安易である為重宝されます。
通常径の場合は逆に素材、コート代の安価なチップでの製作が推奨されます。
・外径チップ
現在の標準品はM級、G級が多く通常の外径加工はこの規格で問題御座いません。各メーカー力を入れているチップでもある為とても安価で、特殊製作依頼を頂いても価格帯が合わないことが多い傾向にあります。外径で特殊依頼をされる場合で成立するお話の多くは耐摩耗性向上か、面粗度向上のいずれかになります。もちろん当社では数多くの材種、コートを用意できるため試作は可能です。いずれかでお悩みの場合はぜひご連絡ください。
・CBNチップ
メーカー品のCBNはロー付完成度が高く、剛性が強い作りとなっております。はっきり申し上げますと当社ロー付よりも高性能です。もちろん、CBNチップの特殊形状は対応しており、実際当社工具の方が工具寿命が高いという意見は数多くいただいております。ただし標準形状で当社の物をお使いいただくとなると、価格も高い為、余りおすすめしておりません。
・カッター
多くの工具会社が製作するカッターは特殊規格の概念があまり無い為、標準品を推奨いたします。
・フライスチップ、ドリルチップ
あまり特殊形状で製作しても目立った効果が出ません。また、弊社では再現しづらい形状も多くあり、標準品の追加工であれば対応も可能ですが、1からの特殊製作は推奨できません。
外径加工チップ
内径加工用チップに比べ切削数、剛性などを向上させるため大きいチップが選ばれることが多い。
CBNチップ
外径加工で幅広く使用されている。高硬度材連続加工に強い一方で断続加工によるカケ等の心配がある。
総型チップ
ワーク形状に合わせて工具製作を行い、工程数、加工時間を短縮するのに用いられる。
ネジきりチップ
読んで字の如くネジキり加工で用いられる。加工時間短縮の為総型でのご要望が多いチップ。スクイのみの再研磨で再び使用が可能な場合が多い。
突っ切りチップ
主にワークを切断する際に用いられる工具。誤った工具を選定すると折れたりしてしまう為、選定は慎重を要する。
バイト
内径加工用に多く用いられる。特に通常のチップホルダーでは加工が不可能な小サイズの内径加工に適している。