NC旋盤などで用いられるチップブレーカの種類と寿命

NC旋盤などのスローアウェイチップなどで用いられるブレーカー(すくい)は切粉の排出、切れ味などを決める重要な要素です。ではなぜ、すべてのチップにブレーカーが付いていないかというともちろん欠点もある為です。欠点と共にチップブレーカー、刃先処理などについて本ページで紹介していきます。

チップブレーカー種類の紹介①(側面)

紹介①では主にチップを横から見た際のBrすくい、刃先処理について説明します。紹介②ではリード角や止めブレーカー等製品上面からの形状を紹介します。

シャープエッジブレーカー
シャープエッジブレーカー

一般的なブレーカーは上図の様な形状をしております。一般的に溝底Rの大きさで切粉の排出方法を調整します。小刻みに切粉が切れるようにするにはRを小さくし、切断されないようにするにはRを大きくします。

 またスクイ角を大きくすることでチップの切れ味を良くします。その分、接触や断続加工に対してもろくなる傾向があります。一般的な角度は5°~25°までの物が多く、お客様の使用用途に合わせて選別します。一部樹脂加工など刃先強度より、切れ味を優先するものに対しては45°等を付ける場合があります。Br長さは主に切り込み量により長さを決定します。一般形状の物であれば長さ1mm~6mm幅までで金額が変わることはありません。

ランドブレーカー
ランドブレーカー

ランドブレーカーは先端にランド(島)を残すことで刃先強度を高める狙いがあります。

ブレーカー形状は切粉排出に特化した形状に成り、切れ味は劣るものの、強度ではすぐれています。取り代の多い粗取りや、難削材、断続加工で用いられることが多いです。

チャンファーPHブレーカー
チャンファーphブレーカー

 ランドブレーカーよりもさらに強度を上げたブレーカーがチャンファーブレーカーです。チャンファー角度が強ければ強いほど強度はまし、切れ味は落ちます。突っ切りやスローアウェイドリル等に多く見られ、基本的な角度は20°~30°くらいです。チャンファー幅は主に切込み量によって決まりますが、基本的にはステンレスなどの難削材の仕上として用いられるため幅が0.5mm以上の物はあまり見かけません。

RPHブレーカー
rphブレーカー

RPH(Rホーニング)ブレーカーは先端を丸くすることで刃先が欠けるのを抑制します。切れ味はシャープエッジに比べ落ちますがチャンファーよりはあります。また断続や取り代の変化に強い為、鋳鉄等に強く、現在最も重宝される刃先処理です。

2段ブレーカー
2段ブレーカー

2段ブレーカーは主に刃先強度を保ちつつ大きい溝底Rをつける際などに用いられます。スクイ角度が弱いと大きいRを再現できず、切粉が細かく切断されてしまいます。その為このような2段ブレーカーを採用するケースがあります。

チップブレーカー種類の紹介②(上面)

汎用リード角
汎用ブレーカー

製品に対し90度で直角になっている物は、右勝手、左勝手の概念が無く、幅広く汎用的に利用できます。もっとも一般的なブレーカーでブレーカー長さが切込み量より長ければ問題なく使用出来ます。

勝手付きブレーカー
勝手付きブレーカー

勝手付きブレーカーは製品側面に対して平行にブレーカーが入っている物を一般的には指しますが、リード角がまっすぐではなく、どちらか一方に曲がっている物も対象です。切粉が巻き込まれないように排出方向を限定するのが目的です。機械の送り方向により勝手が決まります。右勝手、左勝手ではブレーカーリード角は反対方向になります。

止めブレーカー
止めブレーカー

止めブレーカーは上図のように勝手付きのチップで複数コーナーを使用する際に別コーナーに干渉しないように開発されたものです。性能的には勝手付きブレーカーと変わりありません。

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